#FalettinSouls 2021-01-13 Funk & Soul for Vocaloids

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  1. Michie M. NOISELESS HEART. 2019.
  2. Ehamiku (EHAMIC). Emmène-moi (つれてって). 2011.
  3. れるりり. 知らない君. 2020.
  4. KIRA. MONSTER. 2018.
  5. Ayase. ghost city tokyo. 2019.
  6. RuLu. 洗礼. 2021.
    (ボカロ音源表記省略)

Appendix:
a. haruna808. Melancholoid. 2007.
b. Noz. 知らぬがイム. 2020.

▼以下本文

【08:00時台】

おはようございます。近畿圏も緊急事態宣言受け入れかー、どうなっちゃうんですかねー。#FalettinSouls 、死なない限り続きます。今日は特集「Funk & Soul for Vocaloids」ということで、ボカロ曲だけで集めました。聴き慣れないかもしれませんが、やってゆきましょう。

【18:00時台】

緊急事態宣言でどんどん人通り減って欲しいのに減らないですね。もっとリモートワークになればいいね。それはさておき今日の #FalettinSouls は「ボーカロイドのためのファンク&ソウル」6曲です。2011年ものから2021年ものまで揃えました。合う合わないはあるでしょうがファンキーさは保証します。

01. Michie M. NOISELESS HEART. 2019.


2011年「Freely Tomorrow」で10時間40分ミリオン再生達成記録の実績がある、老舗かつ現役のボカロP(ボカロP以前からゲーム音楽の作曲家)です。アルバムの表紙の初音ミクはなんと美樹本晴彦描き下ろし。

【参考】Michie M 2ndアルバム特設サイト:https://sp.wmg.jp/mitchie-m/

近作の動画は、2010年前後の(それこそ自分や友人達がkihirohitoP=さくしゃさんによる『護法少女ソワカちゃん』のことばかり考えてた頃の)ニコニコ動画シーンのノリを、そのまま品質をアップデートしながら続けてくれている印象です。

【参考】 Michie M. 暗殺プリンセス. 2019.


ワンカップPで盛り上がり、その後護法少女ソワカちゃんで盛り上がり、やがてハチ=米津玄師が商業デビューして、自分自身ニコニコ動画に毎日は通わなくなり……という流れでボカロ自体を熱心に広く追うことはなくなってましたが、シーンの変節を感じさせない王道の芸能をMichie Mさんからは感じてます。2019年のフルアルバムの全てがR&Bセンスで作られているわけではありませんが、その中で単純にトラックメイクも歌声調整もHQなものを選びました。

02. Ehamiku (EHAMIC). Emmène-moi (つれてって). 2011.

2010年代前半最もよく聴いていたのが、Google Chrome × Vocaloid CMで顔出し出演も果たしたEHAMICさんの初期ボカロプロジェクト”ehamiku”です。特にこのEmmène-moi は何百回と聴いた。

当初のコンセプトとしては「初音ミクで椎名林檎『丸の内サディスティック』を演る」だったんじゃないかなと思います。ただ、エレピの使い方、ワウギターの使い方が後期スライっぽくて、まずここで椎名林檎から外れる。さらに歌詞が東京都心から香港やサラエボに飛ぶ(聴き手も“つれてゆかれる”)。

結果として、それ以前にもなかったし、後にも続いてない(続いて欲しかった)、奇妙な空前絶後ファンクチューンが生まれてしまったと思います。この #FalettinSouls のために聴き直した時に一番感触が近いのが、田素弘の漫画『紛争でしたら八田まで』でした。


「右翼でも左翼でもなく天使になりたい」
「サリンジャーを読破ね優等生 アマンド前交差点大往生」
「汚れたおててで愛をつかめ されるがまま」
……前節から後節への想像力の飛躍が逐一凄いんですよ。右も左も東京も世界も混乱してひどいことになってるこの2021年に聴き直して、泣きそうになりました。

EHAMICさん自身は先のChrome CMのほか、ピアプロへの作例提供、ローソンへの楽曲提供、『クラシカロイド』のショパン担当などさまざまな良作を提示してますが、個人的にはこのehamikuフルアルバム『to-kyo』で示した空前絶後のボカロファンクの作家性を再び引っ提げてくれないかと、今も期待してます。

03. れるりり. 知らない君. 2020.

「脳漿炸裂ガール」(2012年)などのニコ動上のミリオン再生ヒットで知られるれるりり(rerulili)さん。先に紹介したMichie Mさんと同様、すでに10周年を迎えてます。選んだ曲はその10周年記念アルバムのボカロ編から。

れるりりさんは、いわゆるオフィス・オーガスタ(音楽事務所)チルドレンなルーツもある方で、スガシカオさんと山崎まさよしさんの影響があることもインタビューで述べてたりします(参照: 2020年08月 https://www.musicvoice.jp/news/202008260160907/ )。スガシカオ「午後のパレード」のボカロアレンジも公開してましたね。

自分がれるりり楽曲を聴いてて安心するのは、トラックのR&B的エッセンスの快さもありますが、それと同じくらい歌詞の品質が素晴らしい。商業シーンの、歌詞を読む意義がある邦楽ミュージシャンにまったく引けを取らない。この「知らない君」も、2番Aメロでうっかり女学生の脚をぼんやり眺めてしまう疲れた男性の視線が、一滴の毒として入ってたりして、かなりdistinctiveですね。これからも追いかけたい作曲家です。

04. KIRA. MONSTER. 2018.

話によれば海外(ドイツ?)在住のボカロPとのことです。初めて聞いた時、「こういうのデスチャかビヨンセにあったよね?!」て思いましたが、もっと適切な参照元があった気がする。ともあれ00年代のR&B系女性シンガーを深く理解してるアレンジです。

2019年06月に江戸川さんという方が、日本語圏のシーンとは別の文脈で創造的なボカロ作品を発表している担い手についてのdigり事情を紹介しています。(江戸川. 2019. 「海外ボカロPをめぐる冒険」https://note.com/edoriver/n/n6fb8b6002508 )この中でもkiraさんは紙幅を割かれてます。「GUMIは印欧語で映える」とよく言われますが、その具体的な作例としても重要な楽曲を送り出していると思います。

05. Ayase. ghost city tokyo. 2019.

えーと、恥ずかしいことを告白しなきゃいけないと思うんで言いますが、このAyaseというひとが、あのYOASOBIの中心人物だってこと、今朝(つまりこの曲を選んだだいぶ後)に、知ったんですよね……。

紅白にまで出場した人のボカロ作品を、単に素でSpotifyでのdigりを経て引っ張りだしたという点では少し自信につながりましたが、いやあ、「人に歌わせることでTVに出る」傾向のあるボカロシーンの落とし穴に今回がっつりハマりました。ともあれ実質YOASOBIボカロ版な一曲です。

06. RuLu. 洗礼. 2021.

今回「ボカロのファンク&ソウル特集」ということで、R&B文脈で聴けるボカロ曲を数時間掘りました。そこで発見した活動的な作り手が2人いて、Noz.さんとRuLuさんです。今回はフルアルバムを出したばかりのRuLuさんの方を選びました。

RuLuの1stアルバムは、初めからボカロ曲10曲+歌い手の同曲10曲(※円盤購入特典でさらに+2曲)という、先のれるりり10周年記念の構成を初手から意識して放ったような戦略も面白いです。「これは歌い手の方がいいかも」と思いきや「ボカロの方がいいかも……」と、人間音声と機械音声の間を往来させられます。

Rulu 1stアルバム『Rulu』BOOTH販売サイト:https://booth.pm/ja/items/2658052

しかし、なによりボカロの調声。2007年頃のボカロシーンから遥か遠くまで来てしまったと実感させられました。今やhiphopやEDMを演る人間の側が敢えて地声にオートチューンを噛ませてくるのだから、もはや区別する意味があるのか、わからなくなってきます。

この「洗礼」の直後の「眩暈」も、1970s山下達郎的なメロウ寄りファンクナンバーのように聴けてオシャレなんですが、ギターの16ビートカッティングとフェンダーローズ風エレピの浮遊感が快いこっちの方を選びました。

Spotifyで聴けるファンキー&メロウな楽曲は以上6曲となりますが、どうしても動画URLの方で紹介しておきたいものも貼っておきます。

a. haruna808. Melancholoid. 2007.

聴けばわかるヤバい作品。「ボカロでなければ歌えないファンク」は、ある意味このMelancholoidで終わってる。haruna808さんは初期ボカロファンクで伝説的な存在なのですが、その後シーンに出てこなくなってしまいました。別のところで作曲家として活躍されていることを願ってます。

もう一曲だけ。こちらもSpotifyに(まだ)ない曲です。

b. Noz. 知らぬがイム. 2020.

アレンジが最近のSKY-HIぽくていいのと、仏教を題材にしながらネタに逃げず真正面から無常を歌ってるのが強い。サザンオールスターズ「愛の言霊」にちょっと通じるフレーズも感じられました。

今日はこんなところです。思いつきで組んだ特集だったので6曲も紹介できるか多少不安でしたが、昨今の名曲と新たに出会えて良い機会となりました。

明日はニンゲンどものファンクに戻りまして、「ダウナーファンキーグルーヴ」特集です。

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