#FalettinSouls s2e18

1. Cleo Sol. Sun Shine. 2021.
2. Nelly, BRELAND and Blanco Brown. High Horse. 2021.
3. Fishbone. Freddie's Dead. 1988. [orig: 1972, Curtis Mayfield]
4. Prince. Just as Long as We're Together. 1978.
5. Mor Thiam. Ayo Ayo Nene. 2009.
6. 久保田利伸. TA WA WA ヒットパレード. 1987.

【2021-09-06 朝】

ワクチン副反応で高熱が出たため1週間順延していた #FalettinSouls s2e18 をお送りします。初出ユニット3, 既出ユニット3です。Cleo Sol と Prince と 久保田利伸 が既出の三者、ほかが初紹介のユニットとなります。

解説は今日から水曜のあいだ。

【2021-09-07 夕】

🎶🎶🎶🎶

FalettinSouls s2e18 エイヤッと解説します。

この番組は #Spotify を利用した、

「6曲縛り」
「ファンク&ソウル文脈を追跡する」
「日本のファンク史を前景化させる」

を主題としたプレイリストを毎週1-2本ずつ配布する個人活動です。
現在Season2, 紹介連投は見逃してもBlogにアーカイブされます。

さっそくやってゆきましょう。

1. Cleo Sol. Sunshine. 2021.

先週紹介したばかりのCleo Sol から最新アルバム『Mother』がリリースされました。今回はアルバム全体通してゆっくりとした時間が、流れているというよりもはや“時間が湧き出ている”と言っていいくらい不思議なスロゥ&メロウな雰囲気が横溢しています。通しで聴いて欲しい。

2. Nelly, BRELAND and Blanco Brown. High Horse. 2021.

ネリーは2000年台初頭にヒップホップジャンルで合計2000万枚のレコード売り上げを記録したグラミー賞ホルダー、他二人もネリーよりは若手ですがそれぞれ米国ヒップホップで活躍するミュージシャン。

この曲含むアルバムは作られた背景がやや北米的です。CMT(Country Music Television)というカントリー専門のテレビ放送局がアメリカには存在するのですが、そのCMTの人気番組に "CMT Crossroads"というものがあります*1。その最新シーズンでこの High Horse 含む楽曲が歌われたそうです*2

もちろんこの曲自体はあんまりカントリーぽくなく、むしろポストUptown Funk 時代の元気なヒップホップチューンという趣きがありますが、たしかにアルバム単位で聴くと、北米の伝統歌謡として定着しているカントリー音楽との協働も目論んでいるような文脈が垣間見えます。

ネリーは今後も女性のカントリーミュージシャンとコラボしてもう一作アルバムを作る予定もあるそうです。楽しみですね。今回参照した英語記事も置いておきます。*3 *4

ところでカントリーミュージックの難しい文脈については、大和田俊之『アメリカ音楽史』の前半がかなり詳しく論じています。*5カントリーミュージックといえば北米の白人、みたいなイメージもあるかもしれませんが、そんなに極端にシンプルに語れるモノでもないんだよという論証をしています。

3. Fishbone. Freddie's Dead. 1988. [orig: 1972, Curtis Mayfield]

フィッシュボーンは1979年結成のミクスチャロックバンドで、いろいろなジャンルを跨ぐ中にファンク&ソウルの要素も取り入れています。この曲はカーティス・メイフィールドの同名曲を、スローテンポのファンクロックに翻案した一曲です。

70sソウルに対するこのロック的な解釈は、日本のファンクバンドだとFlying Kids や Bonnie Pink などのファンクチューンに通ずるものがありますね。「ファンクロックってぶっちゃけどんなん?」という時、Sly & The Family Stone や Red Hot Chili Peppers 以外に Fishbone も参照項にあげたいところ。

4. Prince. Just as Long as We're Together. 1978.

殿下ことプリンス・ロジャー・ネルソンのことは、当番組でも繰返し取り上げ続けています。しかしあまりに巨匠枠であるため、まだプリンスONLYで6曲特集を組んだことはありません。けれどそれでは分析が進まないので、今回は1stアルバム『For You』から1曲。

これが1stアルバムの一曲だなんて、デビュー前からサウンドエンジニアリングを身に着けていたとはいえ(『プリンス録音術』)どんだけ“完成”されちまってるのさ、と思わずにはいられません。して実際、このくらいの実力をさらに多方面に伸ばして、ロックもファンクもソウルもジャズもなんでもござれの、数えきれない傑作音源を2016年まで繰り出してくれましたね。今世紀も聴き続けましょう。

5. Mor Thiam. Ayo Ayo Nene. [1973] 2009.

アフリカンジャズ音楽のコンピから直感で気になったモノを拾得しました。セネガル出身のドラマー/パーカッショニスト、モル・チャムさんのリーダー曲、でいいのかな? 彼のアルバムは中古取引価格13万円した時もあるとか?*6

6. 久保田利伸. TA WA WA ヒットパレード. 1987.

札幌の実家に一時戻っていた頃、音楽技能の高い実姉が録画してよく見ていた番組のラインナップの中に『関ジャム完全燃SHOW』がありました。これは一見気安い作りでありつつも、坂本龍一『スコラ:坂本龍一 音楽の学校』*7や亀田誠治『亀田音楽専門学校』*8と並べても恥ずかしくない現代軽音楽番組で、最近TVerでも見逃し配信が観られるように。

その最新回では、R&B音楽ライターの大御所かつEXILEなどR&Bに強い各種音楽グループのプロデュースをしてしてきたことでも知られる松尾潔さんが、「B面=カップリングソングからみるミュージシャンの野心」というテーマで、久保田利伸の1987年のシングルを紹介していました。そのB面がこれ。

正直なことを言うと、自分はこの曲をアルバム『THE BADDEST』のアレンジでしか知らず、「なんかぼんやりした曲だな」くらいにしか思っていませんでした。たまたまこないだの関ジャムでシングル版の音源を聴いて「PファンクかつGOGOファンクじゃん!」と開眼できました。ありがとう松尾潔さん。

その松尾潔さん(ほか、先週紹介した緑黄色社会のヴォーカルの方などもゲストでいます)がB面を論じたTVerの放送は……紹介当時は見られましたが、今はみられなくなっています。代わりにまとめ記事を紹介しておきましょう。*9

ちなみに最後の15曲目にはスガシカオ「バクダンジュース(original)」の解説も松尾潔さんによりされていて、必見です。スガシカオのファンクでどれ選ぶ? となった時に筆頭候補に挙げられる曲の一つでしょうしね。

今週は以上です。忙しいし体調が上向かないがそろそろ特集回もリリースしたいですねー。

*1:CMT Crossroads: Country Music Television, CMT was the first nationally available channel devoted to country music and country music videos
https://en.wikipedia.org/wiki/CMT_(American_TV_channel)

*2:アクセスできておらず、この話をしている時点で未視聴です。

*3:Marcus K. Dowling. 2021-09-01. Nelly’s “Country Grammar” Created Country And Rap’s Best Cross-Cultural Communication: The rap icon's 2000-released hit highlights two musical worlds joining forces and positively impacting the world at large. CMT.com News. http://www.cmt.com/news/1837545/nellys-country-grammar-created-country-and-raps-best-cross-cultural-communication/ (2021-09-21 accessed).

*4:Navjosh. 2021-08-06. Nelly Details Country Project ‘Heartland’; Shares First Single ‘High Horse’: Listen. Hiphopnmore. https://hiphop-n-more.com/2021/08/nelly-high-horse-new-song-country-album-heartland/ (2021-09-21 accessed).

*5:大和田俊之. 2011. [選書] 『アメリカ音楽史: ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』講談社(講談社選書メチエ). (Amazon URL

*6:morerecords. Mor Thiam「Dini Safarrar」(Import盤). http://morerecords.jp/?pid=111188393 (2021-09-21 accessed).

*7:https://www.commmons.com/schola/extra_tv.html

*8:https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050703_00000

*9:関ジャム 完全燃SHOW カップリング曲の中から知られざる名曲をプロ目線で紹介 まとめ https://kakaku.com/tv/channel=10/programID=56294/episodeID=1498940/ (2021-09-22 accessed).

#FalettinSouls s2e17

1. Cory Wong and Dirty Loops. Follow The Light. 2021.
2. Kan Sano. DT pt.2. 2018.
3. Freddie Fox. Too Tuff. 2020.
4. ばってん少女隊. Oisa. 2020.
5. Brief Encounter. Got a Good Feeling. 1977.
6. 緑黄色社会. ずっとずっとずっと. 2021.

【2021-08-23 月;朝】

FalettinSouls s2e17 月曜日解説回がまとまったので6曲を公開します。月曜に聞きづらい人はもう今日から聴いちゃってください(※解説日と公開日を同じ日にする必要がないと郷ひろみ特集で確認したので……)。

今回は Brief Encounter 以外ほぼ近年&今年の作品です。

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【同日 夕】

FalettinSouls s2e17の解説をします。ゆるめに。プレイリストはツリーのトップをご覧ください。

FalettinSouls は #Spotify を利用した

「6曲縛り」
「ファンク&ソウル文脈を追跡する」
「日本のファンク史を前景化させる」

を主題としたプレイリストを毎週1-2本ずつ配布する個人活動です。
現在Season2, 紹介連投は見逃しても逐次このBlogにアーカイブされます。

1. Cory Wong and Dirty Loops. Follow The Light. 2021.

コーリー・ウォンは、今をときめくファンクバンドVulfpeckの準レギュラーサポメンでありつつ、個人名義やFearless Flyersなど多様なファンクプロジェクトで名を馳せる今最も注目のファンクギタリストで、この番組で何度も紹介してきました。

他方のDirty Loops は、2010s前半から活動を開始したスウェーデンのスリーピースバンド。Hit Me は誰もがどこかで一度は聴いたことがあるんじゃないでしょうか。かっこいい音源が多くて、今度単独特集を組みたいくらいです。そしてコーリーとDLがコラボしたのが今回の新曲ですね。

2. Kan Sano. DT pt.2. 2018.

1983年生まれの実力派キーボーディスト。バークリー音楽学校のジャズ学科を出た後にジャズやネオソウルなど、ジャンルを固定化させないさまざまな音楽プロジェクトに参加してます。今回は個人名義から一曲。ヴィンテージエレピの弾き方が堂々の腕前……素晴らしい……。

北村奈都樹(リアルサウンド編集部) . 2021-06-12. 『Kan Sano Talks About Pop Music』Kan Sanoが語る、スティービー・ワンダーから学んだピアノ奏法 『Kan Sano Talks About Pop Music』第2回(前編). https://realsound.jp/2021/06/post-784214.html (2021-09-07 accessed).

この記事では、#FalettinSouls で何度か紹介しているスティーヴィー・ワンダーやダニー・ハザウェイのエレピの奏法に強い影響を受けてきたことを御本人が論じておられますね。Kan Sano さん、推してます。

3. Freddie Fox. Too Tuff. 2020.

こないだ新装開店していた梅田のネオンバチバチのラーメン屋が、おしゃれジャズどころかゴリゴリのジャズフュージョンしか掛からない変なラーメン屋で、ラーメンの味そっちのけでSiriのタイピングモードで「この曲は何」と打ち続けていました。そんな出会いをした一曲。

個人ウェブサイトはこちら*1。お、グラミー賞獲ってるそうですね。ジャンル区分ではスムースジャズとされることが多いようですがファンク要素もあるよと自サイトで書いてますね(だからなんというわけでもないですが)。いい感じのファンキージャズを弾かれる方ですね。

4. ばってん少女隊. Oisa. 2020.

曲調はまるでファンクではないんですが、これコード進行が1-2しかないですよね? ここ2週間くらい街中で耳にするたび「なんだこの曲!?」となっていた曲です。ヨコノリかタテノリかで言えば祭囃子的なタテノリなんですけど、反復音楽としての純度が高い。

ビートの刻みやノリや声は何もファンキーではないのに
、進行と反復の純粋性によってファンクとの親縁を感じるという境界例として挙げておきたくなります。たぶんアイドルグループだと思うんですが、顔も何も覚えないうちから曲の印象だけで面白がっています。半信半疑と満身創痍で踏んでるのも好き。

5. Brief Encounter. Got a Good Feeling. 1977.

今回のラインナップで唯一古めの(1970年代後半の)曲。米国ノース・カロライナ在住*2のベイリー4兄弟を中心に構成された9人組ヴォーカル/インスト・グループで、ブギーファンクの人気音源がdigられるときに名前が上がる定番みたいですね。

6. 緑黄色社会. ずっとずっとずっと. 2021.

邦楽の新作からです。複数の筋から「ファンクのエッセンスに通じるバンドが来たぞーッ」と聴こえてきた気がしたので聴いていました。確かにリズムセクションにはそういう野心を感じるけど、この曲だけだと何とも判断できませんでした。

緑黄色社会がもっとわかりやすく「これはファンク好きかもな!」と思える曲が聞けた時はもう一度紹介するかも。今は髭ダンがUniverseやった時の、「ファンクが好きっていうよりVulfpeckが好きなんだなこれは」という感触に近いポーダーラインです、今のところ。曲自体は何度でも聴ける良さがあります。

今週は以上です。*3

*1:https://ja.freddiefox.com/

*2:在住は当時の話で、今は知らない。

*3:DirtyLoops特集を組みたかったが、この週では実現しなかった。