#FalettinSouls s2e20

Open in Spotify

1. Eliel Lazo, et al. Parapirope. 2010.
2. Macross 82-99. Sailor Team. 2015.
3. Wink. Mysterious 〜真夏の夜の夢〜. [1991] 2018.
4. Sing Like Talking. Givin’ Me All. 1993.
5. Ebony Rhythm Funk Campaign. 69c. 1976.
6. Donny Hathaway. (To Be) Young, Gifted and Black. [1970] 2013 (orig: Nina Simone, 1969).

【2021-09-22火 朝】

三連休終わっての平日最初ですね。#FalettinSouls s2e20 (Season2, episode 20) は、ジャズファンク・Lofiヒップホップ・昭和グルーヴ・和製ニュージャックスウィング・70sニューソウルをごたまぜでお送りします。

♫♪🎶♬♬🎶♫

【同日 夕】

なんか行けそうな気がしたので当日中に解説書きます。

1. Eliel Lazo, et al. Parapirope. 2010.

ジャズ評論家(もはやインタビューを自ら取りに行く在野研究者と言っていい気もするが)の柳樂光隆さんが、月に1度(再放送除く)、鎌倉FMで第3木曜日20:00-21:00(再放送が同週日曜日12:00-13:00)、1時間のジャズ番組をやっており、それを私はラジオアプリで聴いています。この曲は最新回でジャズファンクとして紹介されたもの。

このエリエル・ラソは、キューバ出身・デンマーク在住のパーカッショニストです。2011年にこの曲含むアルバム El Conguero で、オランダの音楽賞 Danish Music Awards (DMA World) を獲ってるみたいですね。ハービー・ハンコックやウェイン・ショーター等名演奏家とのコラボも多数。

柳樂さんの番組は、オーセンティックなジャズはもちろん、ファンキーなジャズやアフロなジャズ、UKソウルと融合したジャズ、その他様々な文化的混淆を経たイマのジャズを教えてくれます。おすすめです。

2. Macross 82-99. Sailor Team. 2015.

Macross 82-99 (これがミュージシャン名です)は、韓国発で世界の昭和グルーヴ・ルネサンスを牽引するNight Tempoと共に、分散協調型昭和グルーヴ同盟”Sailor Team”の主力メンバーの一人として活躍するトラックメイカーです。情報量多いな?

マクロス82-99のインタビューが2016年に公開されてるので、詳しいことはそっちで読んでください。[1]Spincoaster. 2016-09-28. Interview マクロスMACROSS 82-99:『AKIRA』、「Vaporwave」、「フレンチ・ディスコ」――Future … Continue reading

Sailor Team と Night Tempo については、以前「昭和グルーヴとフューチャーファンク」特集回( #FalettinSouls s2eX02 )である程度書きましたので追加であまり言うことはないんですが、今回のマクロス82-99の曲はだいぶLofi Hiphopとハウスっぽさの強いチューンになってますね。P5R(『ペルソナ5ザ・ロイヤル』)などのアトラス系ヴォーカル付きEDMが好きな人は、マクロス82-99のこのトラックもきっと気にいるのではないでしょうか。

3. Wink. Mysterious 〜真夏の夜の夢〜. [1991] 2018.

近年の昭和グルーヴ復興の中で竹内まりや・中山美穂・松原みきなどと並んで大きくフィーチャーされることの多いのが、80s末から90s中盤にかけて活躍したアイドルデュオ Wink です。Winkは昭和グルーヴ特集(先述)のNight Tempo REMIXで「淋しい熱帯魚」を取り上げましたが、原曲は初。

「体ごと溶かされそうよ」という表現は、時代を感じさせつつも、今聴いても古びないですね。Winkは稀に一夜限りの再結成を何度もしていますが、続々リマスターも出てきてますし、音楽的にまとまった評価が改めて出るのも時間の問題と思われます。

4. Sing Like Talking. Givin’ Me All. 1993.

今聴くと「New Jack Swing/ティディ・ライリー期のマイケル・ジャクソン感がすっごい!」と思うくらいにはベタベタのニュージャックスウィングですね!(NJSは、ティディ・ライリーというサウンドPが主に広め、のちにいろんなジャンルで模倣された、80s-90sにかけて流行ったブラックミュージックの一様式です)。

ただ一方で、このNJS感を日本語にかっこよく落とし込んでいるこのSing Like Talkingというバンドの実力も同時に魅力的ですね。このバンドは解散したわけではなく、休止期間を経て活動30周年を迎えてるそうです。メンバー達が壮年期となっての更なる新音源に期待です。

5. Ebony Rhythm Funk Campaign. 69c. 1976.

前身を Ebony Rhythm Band, 略称をERFCと呼ぶこと以外あまり情報がない[2]かろうじてこうしたBiographyはみつかった。Lastfmのもの。ただし信用度はあまりわからなかった。https://www.last.fm/music/Ebony+Rhythm+Funk+Campaign/+wikii … Continue reading。最近「奴らのLPが再発されるぞーッ」とクラブMCあたりからのざわめきが流れてきて、「知らんグループ名だな」と思って聴きました。そしたら、超かっこいい70sファンクじゃん。

たぶん自分が読んだのは島晃一さんのツイートかな? 自分はLP再生機器を持ってないんですが、こういう話を聴くとちょっとLP欲しくなっちゃうなと思いました。この曲がディスコティックになる前の原ファンク的なアレンジを聴いてみたい。

▼のちに、島さんご本人から69cent 原曲に関する解説をいただきました。原曲が聴けて助かりました、島さん本当にありがとうございます!:

2021-09-21 島晃一さん @shimasoulmatter による紹介ツイート

6. Donny Hathaway. (To Be) Young, Gifted and Black. [1970] 2013. orig: Nina Simone, 1969)

ダニー・ハザウェイの、生前アルバムに未収録の音源を含めた4枚組のアルバムセット Never My Love: The Anthology がSpotify入りしてます(これ物理で買って持ってるな)。原曲がニーナ・シモンの1969年のものです。

このニーナ・シモン原曲の歌は、ニーナ自身がその年の“黒人たちのウッドストック”こと「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」で、ハーレムの一角に集った何万人もの黒人たちの前で誇り高く歌い上げた曲でもあります。[3]このフェスの音楽史的な意義についての詳細は『ブルース&ソウル・レコーズ』2021年10月号 サマーオブソウル特集 を参照。(Amazon URL

その1969年のライヴについては、今年(=2021年)の夏にクエストラヴ監修で封切りされたドキュメンタリ映画『サマー・オブ・ソウル』をご覧いただきたい。日本語版配給のトレーラー冒頭に出てくるのがニーナのコール&レスポンスと Young, Gifted and Black です。

この (To be) Young, Gifted & Black を早くにフィーチャーした人物が二人いたのですね。1人は、ご存知アリーサ・フランクリンによる1972年のブラックロック色の強いアルバムの表題『Young, Gifted and Black』および収録カバー曲、そして1970年にカバーした、ダニー・ハザウェイのこの音源です。

どうしてこんなにも早期に他の黒人ミュージシャンに愛されたのかといえば、このニーナの歌に込められたメッセージが、公民権運動に傷つき続けてきたアメリカ黒人たちのブラックパワーを改めて信じ抜き、祝福する内容だったからでしょう。

オーサカ=モノレールの中田亮さんによる訳詞[4][訳]中田亮 and [原詞] Simone. 2017-05-31. TO BE YOUNG, GIFTED AND BLACK by Nina Simone, 1969. http://osakamonaurail.com/nakata/2017/05/young-gifted-and-black-1969.html (2021-09-22 accessed). を紹介します。

気持ちが鬱ぎ込んでしまったとき
この偉大な真実を思い出してほしい
若く、才に恵まれ、黒人として生きるーー
あなたの魂はぜったいに負けない!

Nina Simone 1969 [=中田亮 2017]

ここ数年、BLMに呼応して、アフロにルーツを持つ世界中のミュージシャンが、黒人であることを誇りであると謳う曲をそれぞれ出しています #FalettinSouls でも幾つか紹介してきました)。そしてニーナ・シモンによるこの曲もまた、まさに公民権運動時代のBLMアンセムだったと言えるはず。

ダニー・ハザウェイは、大好きなソウル系ミュージシャンの中でも個人的に殿堂入りのひとなので、いつか機が熟した時に特集したいですね。まだ先になりそうですが。

しかし、なんかダニーのカバーにかこつけてサマーオブソウルを語るような内容になってしまったな。

脚注一覧

脚注一覧
1Spincoaster. 2016-09-28. Interview マクロスMACROSS 82-99:『AKIRA』、「Vaporwave」、「フレンチ・ディスコ」――Future Funkのパイオニアのバックグラウンドに迫るインタビュー!Spincoaster. https://spincoaster.com/interview-macross-82-99 (2021-09-22 accessed).
2かろうじてこうしたBiographyはみつかった。Lastfmのもの。ただし信用度はあまりわからなかった。https://www.last.fm/music/Ebony+Rhythm+Funk+Campaign/+wikii (2021-09-22 accessed).
3このフェスの音楽史的な意義についての詳細は『ブルース&ソウル・レコーズ』2021年10月号 サマーオブソウル特集 を参照。(Amazon URL
4[訳]中田亮 and [原詞] Simone. 2017-05-31. TO BE YOUNG, GIFTED AND BLACK by Nina Simone, 1969. http://osakamonaurail.com/nakata/2017/05/young-gifted-and-black-1969.html (2021-09-22 accessed).

#FalettinSouls s2e19

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1. Indeep. Last Night A D.J. Save My Life. [1982] 2012.
2. 松本孝弘. #1090 -Thousand Dreams-. 1992.
3. Chick Corea. Fickle Funk. 1978.
4. Funky DL. Don’t Even Try It. 2006.
5. Chris Dave & The Drumhedz. Black Hole. 2017.
6. Brother Zulu. Lights. 2020.

【2021-09-14 朝】

本来の予定より1日遅れの #FalettinSouls s2e19 をお送りします。特集にぜんぜん着手できない……。

【2021-09-16 夕】

FalettinSouls s2e19の解説します。

1. Indeep. Last Night A D.J. Save My Life. [1982] 2012.

一曲目は1982年のディスコトラック。1987年にIndeepは活動を休止してしまい、同グループはどうも一発屋扱いをされがちだったようです。しかし四半世紀をとうにすぎ、DaftpunkやBruno Mars等の活躍により、ディスコ見直しの動きも挟んで改めて聴くこの曲は、変わらず快さを保っています。

2. 松本孝弘. #1090 -Thousand Dreams-. 1992.

Be’z の片割れ兼バンマスこと松本さんの代表曲。金曜フジ系、タモリ司会でお馴染み『ミュージック・ステーション』の主題曲でもありますね。注目していただきたいのは、サビ以外のフュージョンぶり、そしてヒップホップぶりです。通しで印象が変わりますね。

Be’zの曲の中にもR&B文脈での聴き直しが可能なものはそこそこあると思ってはいるのですが、それより先に松本さん個人名義の方がそのあたりの指向性はクッキリ見えやすいよなと思い、採り上げました。本曲については、エレキギターの旋律がT-SQUAREとかカシオペアのフュージョン系鍵盤ぽく聴こえる。

3. Chick Corea. Fickle Funk. 1978.

モダンジャズの大家であり、かつハービー・ハンコックと同時代にクロスオーバー(のちのフュージョン・ジャズ)の先陣を切り開いていったチック・コリア、今年の2月に亡くなってしまいましたね。やっとそのチック・コリアから本番組初紹介です(確かね)。

チック・コリアは、当然ながら偉大すぎてその月以降暫く追悼特集がさまざまに組まれましたのでいまさら私の出る幕もないのですが、いつか特集組んでみたいものです。Dr. ファンクシッテルーさんによるチック・コリア追悼Togetterはとてもおすすめですよ。(私がまとめました)[1]Dr. ファンクシッテルー. 2021-02-14. Dr. ファンクシッテルーによるChick Corea追悼音源紹介. Togetter. togetter.com/li/1674074 (2021-09-22 accessed).

4. Funky DL. Don’t Even Try It. 2006.

Funky DL は2000年代からUKロンドンを拠点に活動を続けるヒップホップ系トラックメイカーです。日本の文脈においては、36歳で夭折した天才ミュージシャンNujabes(=瀬場潤 Sebajun=山田淳)との音楽的交流で知られています。この曲もNujabesとの共同コンピから。

Nujabesは、聴けば好きでありつつ、まだ全容を掴めた気がしたことがないのでいつか腰を据えて聴き直してみたいとは思ってるのですが、こういう共同コンピ一つ取っても、2010s以降のいわゆる「lo-fiヒップホップ」シーンへの影響力絶大なんだろうなという気がしてます。音作りにAORが合流してる気もして。

5. Chris Dave & The Drumhedz. Black Hole. 2017.

クリス・デイヴはエド・シーランやアデルの後ろで叩いた実績もある熟練ドラマー。その彼が多くの実力派ミュージシャンとの交流を活用して、50名前後のコラボを通じて制作した企画アルバムCD&tDHz。その中からわかりやすくファンキーなのを拾いました。

クリス・デイヴがいかなるミュージシャンであるかについては、以下のWONK(以前紹介しました)による解説座談会がよかったので、共有します。

[インタヴュー・文]小池直也 and Wonk. クリス・デイヴ(Chris Dave)の魅力をWONKが語り尽くす! 宇多田ヒカルも惚れ込んだ、現代ジャズ界最高峰ドラマーのすべて クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ『Chris Dave And The Drumhedz』. mikiki. https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/16833 (2021-09-22 accessed).

ロバート・グラスパー・エクスペリメンツでも叩いてたりと、本当に多様な一流キャリアを持っていながら、消しきれない強烈な個性があるドラマーとして語られてますね。ディアンジェロの盟友クエストラヴと対比的に語られている文脈などもあり、R&Bファンとしては一つ定点観測先として覚えておきたい。

6. Brother Zulu. Lights. 2020.

UKネオソウル文脈だよなーと思ったらやっぱりそうだった! 気持ちのいいメロウなグルーヴを繰り出してきますね。UKロンドンのフューチャーソウル系グループです。かなり好みです。もっと長く聴いていたいくらいでした。

インタビューを拾ったので紹介しておきます。アリシマレコードというところからLPが出ているらしい?

アリシマレコード 〜女の子の女の子による女の子のためのレコード店〜. 2021-06-11. Brother Zulu interview. https://note.com/arishimarecord/n/n3f3e3302eaf4 (2021-09-22 accessed).

メンバー情報のほか、リスペクトするミュージシャンについても名前が上がっています。

バンドのサウンド作成に大きく貢献したのは、私たちがバンドで情熱を注いでいるさまざまな音楽です。例えば 私たちは、マーヴィン・ゲイ、ジェームス・ブラウン、プリンスのようなオールドスクールなソウルミュージックに深い愛情を持っています。 しかし、アンダーソン パーク、ディアンジェロ、ハイエイタス カイヨーテなどのより現代的なアーティストからもインスピレーションを得ています。 西アフリカのリズムやジャズの名曲から、ヴァン・ダイク・パークス、DJ ロジャース、オハイオ・プレイヤーズなどの 60 年代と 70 年代の名もなきヒーローまで、私たちのサウンドに影響を与えたあまり知られていない音楽もたくさんあります。

[アリシマレコード 2021]

今日はこんなところで。

脚注一覧

脚注一覧
1Dr. ファンクシッテルー. 2021-02-14. Dr. ファンクシッテルーによるChick Corea追悼音源紹介. Togetter. togetter.com/li/1674074 (2021-09-22 accessed).

#FalettinSouls s2e18

Open in Spotify

1. Cleo Sol. Sun Shine. 2021.
2. Nelly, BRELAND and Blanco Brown. High Horse. 2021.
3. Fishbone. Freddie’s Dead. 1988. [orig: 1972, Curtis Mayfield]
4. Prince. Just as Long as We’re Together. 1978.
5. Mor Thiam. Ayo Ayo Nene. 2009.
6. 久保田利伸. TA WA WA ヒットパレード. 1987.

【2021-09-06 朝】

ワクチン副反応で高熱が出たため1週間順延していた #FalettinSouls s2e18 をお送りします。初出ユニット3, 既出ユニット3です。Cleo Sol と Prince と 久保田利伸 が既出の三者、ほかが初紹介のユニットとなります。

解説は今日から水曜のあいだ。

【2021-09-07 夕】

🎶🎶🎶🎶

FalettinSouls s2e18 エイヤッと解説します。

この番組は #Spotify を利用した、

「6曲縛り」
「ファンク&ソウル文脈を追跡する」
「日本のファンク史を前景化させる」

を主題としたプレイリストを毎週1-2本ずつ配布する個人活動です。
現在Season2, 紹介連投は見逃してもBlogにアーカイブされます。

さっそくやってゆきましょう。

1. Cleo Sol. Sunshine. 2021.

先週紹介したばかりのCleo Sol から最新アルバム『Mother』がリリースされました。今回はアルバム全体通してゆっくりとした時間が、流れているというよりもはや“時間が湧き出ている”と言っていいくらい不思議なスロゥ&メロウな雰囲気が横溢しています。通しで聴いて欲しい。

2. Nelly, BRELAND and Blanco Brown. High Horse. 2021.

ネリーは2000年台初頭にヒップホップジャンルで合計2000万枚のレコード売り上げを記録したグラミー賞ホルダー、他二人もネリーよりは若手ですがそれぞれ米国ヒップホップで活躍するミュージシャン。

この曲含むアルバムは作られた背景がやや北米的です。CMT(Country Music Television)というカントリー専門のテレビ放送局がアメリカには存在するのですが、そのCMTの人気番組に “CMT Crossroads”というものがあります[1]CMT Crossroads: Country Music Television, CMT was the first nationally available channel devoted to country music and country music videos
https://en.wikipedia.org/wiki/CMT_(American_TV_channel)
。その最新シーズンでこの High Horse 含む楽曲が歌われたそうです[2]アクセスできておらず、この話をしている時点で未視聴です。

もちろんこの曲自体はあんまりカントリーぽくなく、むしろポストUptown Funk 時代の元気なヒップホップチューンという趣きがありますが、たしかにアルバム単位で聴くと、北米の伝統歌謡として定着しているカントリー音楽との協働も目論んでいるような文脈が垣間見えます。

ネリーは今後も女性のカントリーミュージシャンとコラボしてもう一作アルバムを作る予定もあるそうです。楽しみですね。今回参照した英語記事も置いておきます。[3]Marcus K. Dowling. 2021-09-01. Nelly’s “Country Grammar” Created Country And Rap’s Best Cross-Cultural Communication: The rap icon’s 2000-released hit highlights two musical worlds … Continue reading [4]Navjosh. 2021-08-06. Nelly Details Country Project ‘Heartland’; Shares First Single ‘High Horse’: Listen. Hiphopnmore. … Continue reading

ところでカントリーミュージックの難しい文脈については、大和田俊之『アメリカ音楽史』の前半がかなり詳しく論じています。[5]大和田俊之. 2011. [選書] 『アメリカ音楽史: ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』講談社(講談社選書メチエ). (Amazon URLカントリーミュージックといえば北米の白人、みたいなイメージもあるかもしれませんが、そんなに極端にシンプルに語れるモノでもないんだよという論証をしています。

3. Fishbone. Freddie’s Dead. 1988. [orig: 1972, Curtis Mayfield]

フィッシュボーンは1979年結成のミクスチャロックバンドで、いろいろなジャンルを跨ぐ中にファンク&ソウルの要素も取り入れています。この曲はカーティス・メイフィールドの同名曲を、スローテンポのファンクロックに翻案した一曲です。

70sソウルに対するこのロック的な解釈は、日本のファンクバンドだとFlying Kids や Bonnie Pink などのファンクチューンに通ずるものがありますね。「ファンクロックってぶっちゃけどんなん?」という時、Sly & The Family Stone や Red Hot Chili Peppers 以外に Fishbone も参照項にあげたいところ。

4. Prince. Just as Long as We’re Together. 1978.

殿下ことプリンス・ロジャー・ネルソンのことは、当番組でも繰返し取り上げ続けています。しかしあまりに巨匠枠であるため、まだプリンスONLYで6曲特集を組んだことはありません。けれどそれでは分析が進まないので、今回は1stアルバム『For You』から1曲。

これが1stアルバムの一曲だなんて、デビュー前からサウンドエンジニアリングを身に着けていたとはいえ(『プリンス録音術』)どんだけ“完成”されちまってるのさ、と思わずにはいられません。して実際、このくらいの実力をさらに多方面に伸ばして、ロックもファンクもソウルもジャズもなんでもござれの、数えきれない傑作音源を2016年まで繰り出してくれましたね。今世紀も聴き続けましょう。

5. Mor Thiam. Ayo Ayo Nene. [1973] 2009.

アフリカンジャズ音楽のコンピから直感で気になったモノを拾得しました。セネガル出身のドラマー/パーカッショニスト、モル・チャムさんのリーダー曲、でいいのかな? 彼のアルバムは中古取引価格13万円した時もあるとか?[6]morerecords. Mor Thiam「Dini Safarrar」(Import盤). http://morerecords.jp/?pid=111188393 (2021-09-21 accessed).

6. 久保田利伸. TA WA WA ヒットパレード. 1987.

札幌の実家に一時戻っていた頃、音楽技能の高い実姉が録画してよく見ていた番組のラインナップの中に『関ジャム完全燃SHOW』がありました。これは一見気安い作りでありつつも、坂本龍一『スコラ:坂本龍一 音楽の学校』[7]https://www.commmons.com/schola/extra_tv.htmlや亀田誠治『亀田音楽専門学校』[8]https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050703_00000と並べても恥ずかしくない現代軽音楽番組で、最近TVerでも見逃し配信が観られるように。

その最新回では、R&B音楽ライターの大御所かつEXILEなどR&Bに強い各種音楽グループのプロデュースをしてしてきたことでも知られる松尾潔さんが、「B面=カップリングソングからみるミュージシャンの野心」というテーマで、久保田利伸の1987年のシングルを紹介していました。そのB面がこれ。

正直なことを言うと、自分はこの曲をアルバム『THE BADDEST』のアレンジでしか知らず、「なんかぼんやりした曲だな」くらいにしか思っていませんでした。たまたまこないだの関ジャムでシングル版の音源を聴いて「PファンクかつGOGOファンクじゃん!」と開眼できました。ありがとう松尾潔さん。

その松尾潔さん(ほか、先週紹介した緑黄色社会のヴォーカルの方などもゲストでいます)がB面を論じたTVerの放送は……紹介当時は見られましたが、今はみられなくなっています。代わりにまとめ記事を紹介しておきましょう。[9]関ジャム 完全燃SHOW カップリング曲の中から知られざる名曲をプロ目線で紹介 まとめ https://kakaku.com/tv/channel=10/programID=56294/episodeID=1498940/ (2021-09-22 … Continue reading

ちなみに最後の15曲目にはスガシカオ「バクダンジュース(original)」の解説も松尾潔さんによりされていて、必見です。スガシカオのファンクでどれ選ぶ? となった時に筆頭候補に挙げられる曲の一つでしょうしね。

今週は以上です。忙しいし体調が上向かないがそろそろ特集回もリリースしたいですねー。

脚注一覧

脚注一覧
1CMT Crossroads: Country Music Television, CMT was the first nationally available channel devoted to country music and country music videos
https://en.wikipedia.org/wiki/CMT_(American_TV_channel)
2アクセスできておらず、この話をしている時点で未視聴です。
3Marcus K. Dowling. 2021-09-01. Nelly’s “Country Grammar” Created Country And Rap’s Best Cross-Cultural Communication: The rap icon’s 2000-released hit highlights two musical worlds joining forces and positively impacting the world at large. CMT.com News. http://www.cmt.com/news/1837545/nellys-country-grammar-created-country-and-raps-best-cross-cultural-communication/ (2021-09-21 accessed).
4Navjosh. 2021-08-06. Nelly Details Country Project ‘Heartland’; Shares First Single ‘High Horse’: Listen. Hiphopnmore. https://hiphop-n-more.com/2021/08/nelly-high-horse-new-song-country-album-heartland/ (2021-09-21 accessed).
5大和田俊之. 2011. [選書] 『アメリカ音楽史: ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』講談社(講談社選書メチエ). (Amazon URL
6morerecords. Mor Thiam「Dini Safarrar」(Import盤). http://morerecords.jp/?pid=111188393 (2021-09-21 accessed).
7https://www.commmons.com/schola/extra_tv.html
8https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050703_00000
9関ジャム 完全燃SHOW カップリング曲の中から知られざる名曲をプロ目線で紹介 まとめ https://kakaku.com/tv/channel=10/programID=56294/episodeID=1498940/ (2021-09-22 accessed).