#FalettinSouls s2e17

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1. Cory Wong and Dirty Loops. Follow The Light. 2021.
2. Kan Sano. DT pt.2. 2018.
3. Freddie Fox. Too Tuff. 2020.
4. ばってん少女隊. Oisa. 2020.
5. Brief Encounter. Got a Good Feeling. 1977.
6. 緑黄色社会. ずっとずっとずっと. 2021.

【2021-08-23 月;朝】

FalettinSouls s2e17 月曜日解説回がまとまったので6曲を公開します。月曜に聞きづらい人はもう今日から聴いちゃってください(※解説日と公開日を同じ日にする必要がないと郷ひろみ特集で確認したので……)。

今回は Brief Encounter 以外ほぼ近年&今年の作品です。

♬♬♬♬♬♬♬♬

【同日 夕】

FalettinSouls s2e17の解説をします。ゆるめに。プレイリストはツリーのトップをご覧ください。

FalettinSouls は #Spotify を利用した

「6曲縛り」
「ファンク&ソウル文脈を追跡する」
「日本のファンク史を前景化させる」

を主題としたプレイリストを毎週1-2本ずつ配布する個人活動です。
現在Season2, 紹介連投は見逃しても逐次このBlogにアーカイブされます。

1. Cory Wong and Dirty Loops. Follow The Light. 2021.

コーリー・ウォンは、今をときめくファンクバンドVulfpeckの準レギュラーサポメンでありつつ、個人名義やFearless Flyersなど多様なファンクプロジェクトで名を馳せる今最も注目のファンクギタリストで、この番組で何度も紹介してきました。

他方のDirty Loops は、2010s前半から活動を開始したスウェーデンのスリーピースバンド。Hit Me は誰もがどこかで一度は聴いたことがあるんじゃないでしょうか。かっこいい音源が多くて、今度単独特集を組みたいくらいです。そしてコーリーとDLがコラボしたのが今回の新曲ですね。

2. Kan Sano. DT pt.2. 2018.

1983年生まれの実力派キーボーディスト。バークリー音楽学校のジャズ学科を出た後にジャズやネオソウルなど、ジャンルを固定化させないさまざまな音楽プロジェクトに参加してます。今回は個人名義から一曲。ヴィンテージエレピの弾き方が堂々の腕前……素晴らしい……。

北村奈都樹(リアルサウンド編集部) . 2021-06-12. 『Kan Sano Talks About Pop Music』Kan Sanoが語る、スティービー・ワンダーから学んだピアノ奏法 『Kan Sano Talks About Pop Music』第2回(前編). https://realsound.jp/2021/06/post-784214.html (2021-09-07 accessed).

この記事では、#FalettinSouls で何度か紹介しているスティーヴィー・ワンダーやダニー・ハザウェイのエレピの奏法に強い影響を受けてきたことを御本人が論じておられますね。Kan Sano さん、推してます。

3. Freddie Fox. Too Tuff. 2020.

こないだ新装開店していた梅田のネオンバチバチのラーメン屋が、おしゃれジャズどころかゴリゴリのジャズフュージョンしか掛からない変なラーメン屋で、ラーメンの味そっちのけでSiriのタイピングモードで「この曲は何」と打ち続けていました。そんな出会いをした一曲。

個人ウェブサイトはこちら[1]https://ja.freddiefox.com/。お、グラミー賞獲ってるそうですね。ジャンル区分ではスムースジャズとされることが多いようですがファンク要素もあるよと自サイトで書いてますね(だからなんというわけでもないですが)。いい感じのファンキージャズを弾かれる方ですね。

4. ばってん少女隊. Oisa. 2020.

曲調はまるでファンクではないんですが、これコード進行が1-2しかないですよね? ここ2週間くらい街中で耳にするたび「なんだこの曲!?」となっていた曲です。ヨコノリかタテノリかで言えば祭囃子的なタテノリなんですけど、反復音楽としての純度が高い。

ビートの刻みやノリや声は何もファンキーではないのに
、進行と反復の純粋性によってファンクとの親縁を感じるという境界例として挙げておきたくなります。たぶんアイドルグループだと思うんですが、顔も何も覚えないうちから曲の印象だけで面白がっています。半信半疑と満身創痍で踏んでるのも好き。

5. Brief Encounter. Got a Good Feeling. 1977.

今回のラインナップで唯一古めの(1970年代後半の)曲。米国ノース・カロライナ在住[2]在住は当時の話で、今は知らない。
のベイリー4兄弟を中心に構成された9人組ヴォーカル/インスト・グループで、ブギーファンクの人気音源がdigられるときに名前が上がる定番みたいですね。

6. 緑黄色社会. ずっとずっとずっと. 2021.

邦楽の新作からです。複数の筋から「ファンクのエッセンスに通じるバンドが来たぞーッ」と聴こえてきた気がしたので聴いていました。確かにリズムセクションにはそういう野心を感じるけど、この曲だけだと何とも判断できませんでした。

緑黄色社会がもっとわかりやすく「これはファンク好きかもな!」と思える曲が聞けた時はもう一度紹介するかも。今は髭ダンがUniverseやった時の、「ファンクが好きっていうよりVulfpeckが好きなんだなこれは」という感触に近いポーダーラインです、今のところ。曲自体は何度でも聴ける良さがあります。

今週は以上です。[3]DirtyLoops特集を組みたかったが、この週では実現しなかった。

脚注一覧

脚注一覧
1https://ja.freddiefox.com/
2在住は当時の話で、今は知らない。
3DirtyLoops特集を組みたかったが、この週では実現しなかった。

#FalettinSouls s2eX08: 郷ひろみ

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1. 郷ひろみ (芹沢類・飯田健彦). Shuffle. 1998.
2. 郷ひろみ (島武実・穂口雄右). SIDE BY SIDE.1978.
3. 郷ひろみ (リンダ・ヘンリック). DOCTOR L-O-V-E. 1987.
4. 郷ひろみ (岡田冨美子・荻田光雄). WANNA BE TRUE. 1979.
5. 郷ひろみ (原田真二・ヘンリー浜口). I FEEL MY LOVE WITH YOU. 1984.
6. 郷ひろみ (京田誠一・康珍化). 恋はシュミシュミ. 2018.

【2021-08-19 木 夕方】

半月前から #FalettinSouls s2eX08 枠として予告していた郷ひろみ特集[1]副題 “HIROMI GO RIDES ON FUNK CONTEXTS” 。今日からだらだらやってゆきます。すでに聴いてる人も、これから聴くひとも、よろしくね。

なお今回は、郷さんへの楽曲提供者の情報も特に重要になるため、作曲者・作詞者などトラックメイクに貢献があるだろうクレジットをかっこ付けで表記しています。

1. 郷ひろみ (芹沢類・飯田健彦). Shuffle. 1998.

2021年08月01日、「新御三家」の一人で知られる芸歴50年のシンガー&パフォーマーである郷ひろみが、音楽サブスクサービスにて楽曲配信を開始しました。その数、なんと「555」曲。郷(GO)ひろみだから555、プレスリリースまでツッコミどころが凄い。[2]Yahoo! ニュース・報知新聞社. 2021-07-31. 郷ひろみ、555曲サブスク解禁…8月1日から「お嫁サンバ」などの名曲に秘蔵のナンバーも. … Continue reading

ともあれお陰で、自分の父親母親と同じくらいの世代の郷ひろみさんの楽曲を湯水のように聴けるようになったのは、ひとまず嬉しいですね……と思ってたのですが、そのとき私は知らなかったのです……郷ひろみの(少なくとも一部の楽曲については)国内屈指のどファンクチューンだらけであることを!

きっかけは、Audacity作曲家のTOMC(トムシー) さん[3]少なくとも私と彼の間に友人知人が2,3人いることを確認しているが、ご本人との面識はない。が日々公開している、比較的R&B寄りの関心に基づくSpotifyプレイリストの中に、郷ひろみ特集が追加されたことでした。今回の元ネタの一つなので、リンク貼っておきますね。

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このプレイリストはあくまで「郷ひろみのレアグルーヴ」という関心のもと編まれたものであり、本日時点で再生時間が合計10時間近くあります。普通に聴くと1日消費しなければなりません。しかしこれをなんとなく聴くうちにわかってきたのです……「特に70s末から80s末の郷ひろみは、かなりヤバい!」

何がどうヤバいかは具体的に個別に語るとして、ひとまず紹介した一曲目は1998年の郷ひろみ曲です。これが(HIROMI GOを差し置いて)私から挨拶がわりの選曲ですが(何様?)私たちのイメージするゴールドフィンガーやおっくせんまんと、また結構違いませんか?

具体的に言うと、このドンシャリ音とねじけたサウンドエフェクトコミの、インダストリアルファンク的な作曲アプローチは、名前を捨てた時代のPrinceとNew Power Generation, 特にGold (1995) っぽさを感じますね。しかし! そんなノリの上に郷ひろみの歌が乗ると! すべてがGOになる!

今回拾い上げた6曲は基本的にこんなオチばかりです。すなわち、「これこれのサウンドアプローチが採用されながら、そこに郷ひろみの声が乗るとすべてがHIROMI GOになる」というわけ。

郷ひろみは単にキャラが濃いだけじゃなかった、どんな明確な楽曲コンセプトにも飲まれず呑み込み返すようなアクの強さ、このレベルでの強烈さがGOのGOたるゆえんだったのだ……というのが今回のベースストーリーになります。よく覚えておいてください。

2. 郷ひろみ (島武実・穂口雄右). SIDE BY SIDE.1978.

2曲目はたった3分弱で成立する高速ジャズフュージョン的な歌。速弾きベースと、それに負けじと吠え猛るエレピの競演がかっこいいですね。ちょっとフュージョン時代のチックコリア風ともいえる……のに! 歌が乗るとGOの曲になってるじゃないか!

旋風のごときジャズフュージョン調に乗ってHIROMI GOが襲い来るカレイドスコォーブですよ。村人に恐れられた怪鳥に飛び乗る豪傑の伝承みたいな速度ですよね、この楽曲vsGOの対決は。2曲目にしてすでに「おっくせんまん」の記憶が吹っ飛んでしまいます。

3. 郷ひろみ (リンダ・ヘンリック). DOCTOR L-O-V-E. 1987.

はい問題作、問題作ですよ〜。この曲については2つ言わねばならないことがありまぁす! このイントロとファンクギターの使い方が、1984年のとある楽曲に似すぎているんですね。

それでは聴いてください……Prince. When Doves Cry. 1984.

まんますぎやしませんかァ!?

この殿下(Prince)による、まあR&Bを知ってる当時の人なら大体通過している曲を、この作曲担当のリンダ・ヘンリックさんは臆面もなくパクったのではないかと思われます。[4]2021-08-21 ご指摘を受け、訂正しました。打ち消した上、このまま残しておきます。大変失礼いたしました。ご指摘Tweet: … Continue reading郷ひろみさん自身(あるいは楽曲製作に関わったスタッフ)が、かなり大胆にパクったのではないかと思われます。[5] … Continue reading刻みを微妙に素朴にしてるあたりに確信犯を感じますね。しかし、別に単なるパクりを指摘したいから取り上げたわけではないのです。

考えてもみてくださいよ。プリンスみたいな方向性でシーンを切り開きたい日本人シンガー/シンガーソングライターってたくさんいたわけですよ。原田真二にはじまり、岡村靖幸、及川光博、スガシカオ……etc. 日本のファンク史を彩ってきた名だたる邦楽シーンの担い手が、プリンスに憧れては似て非なる存在になったわけですよ。でも、プリンスそのものかというと、それぞれやっぱり違いますよね。

それを踏まえてこの郷ひろみを聴き直してくださいよ。殿下になる気まったくないじゃん!!

この3曲目は……When Doves Cry調の曲を持ってきた郷さん(あるいは楽曲制作スタッフ)が当時何を思ってこんなふうにしたかはわかりませんが……殿下vsGOのタイトルマッチなんですよ。それでGOがGOのまま殿下調に飲まれてない、そーゆー凄いことが起きてる曲なんですよ。日本のファンク史最大の特異点ですよッ![6] … Continue reading[7](高橋芳朗. 2021-08-16. デビュー50周年!洋楽視点で聴く郷ひろみ(高橋芳朗の音楽コラム;ジェーン・スー 生活は踊る). https://www.tbsradio.jp/articles/43041/ … Continue reading

最初にも言いましたが、私は郷ひろみをまったく真面目に聴いてこなくて、こんな曲を歌ってたことも知らなかったんですよ。だから少しシンガーとして軽視していたところがありました。ですがこの殿下vsGOで郷ひろみさんが負けてないことを確信して、私は感服してしまいました……。郷ひろみは郷ひろみとして……その溢れるカリスマと、充ち足りたナルシス的闘気……プリンス的なカリスマ性を希求する必要を感じさせない固有の資質を纏って、このDoctor L-O-V-Eを歌っていたんですねえ。出会い頭の衝突事故みたいな曲ではあるんですが、殿下観とGO観が同時に塗り替わる曲でした。

なんだよ #GO観 て。後半3曲も、(リングフィットの日課を挟みつつ)まだまだ続きます!

【2021-08-20 早朝】

FalettinSouls s2eX08: 「郷ひろみが乗りこなすファンク」特集、後半3曲の紹介がまだ終わってませんので、やっていきましょう。

4. 郷ひろみ (岡田冨美子・荻田光雄). WANNA BE TRUE. 1979.

ミドルテンポのブラスファンクのフロントにHIROMI GOを配置した一曲。郷ひろみ曲を聴いて気づくのは、スタジオミュージシャンの豪華さですね。この曲が収録されている『SUPER DRIVE』は、郷ひろみ楽曲史の中でも名盤とされます。

このアルバムの中では、米国のフュージョンバンド「24丁目バンド」を起用しています。[8]kaz-shin. 2006-02-23. 郷 ひろみ_SUPER DRIVE. https://musicave.exblog.jp/2825693/ (2021-08-20 accessed).

郷ひろみさんの音楽企画史の中で、どういう采配があってそういう起用になったのかはよくわからないのですが、この70s末から80s末までの郷ひろみ曲では、高確率でR&Bシーンに造詣が深い何者か(その都度のプロデューサかもしれないし、郷さん自身かもしれない)の大いなる力が働いてる感じがしますね。

5. 郷ひろみ (原田真二・ヘンリー浜口). I FEEL MY LOVE WITH YOU. 1984.

ヘンリー浜口は郷ひろみが楽曲に(主に作詞等で)関わる際の変名です。そして原田真二。日本のファンク史を語るなら80年代では大沢誉志幸と並び名前を出さずにはいられない人物ですね[9]#FalettinSouls Season1, 2020-12-16 特集:プリンスとその後裔 https://falettinsouls.info/20201216_falettinsouls-2020-12-16/ も参照のこと。。原田真二さんもGOに楽曲を提供してたとは。

原田真二さんは、基本的には初期から現在まで卓抜した実力をもつSSWとして評価されていますが、デビューした当初は「ポスト新御三家」としてのルックスの売り方も多少されていました。つまり芸能界的には(事務所がどこまで狙ってるかはさておき郷ひろみフォロワー的な側面も表面的にはあった。[10]@awajiya さん 2021-08-07 情報提供による。https://twitter.com/awajiya/status/1424001411906359301

そういうわけで、原田真二プロデュースの郷ひろみというのは、むりやり今風に擬えると「デビュー後発である関ジャニのメンバーがAAAの新曲を手掛けました」的な驚きがなくもないということですね。そんな原田真二提供曲も、原田真二自身の『タイムマシン』期に通底するような、80s中期プリンスを彷彿とさせる打ち込みのミネアポリスファンク的なサウンドになってます。それにエフェクトの掛かった郷ひろみのセクシーボイスが乗ると……また殿下vsGOになってるじゃん!

まさかの原田真二を経由しての対殿下戦2回目、またも郷ひろみ自身を見失わず不敗を保つ……なんなんだ、この1980年代の郷ひろみとプリンスの(楽曲を通じた)不可思議なタイトルマッチはよ……。という楽しみ方を勝手にしていました。

6. 郷ひろみ (京田誠一・康珍化). 恋はシュミシュミ. 2018.

最後の曲です。これまでの5曲から時代を離して、2010s後半の一曲となります。還暦を超えてなお体型と色気を維持したGOによるディスコファンクですね。この曲自体は極めてパブリックイメージに近い郷ひろみではあると思います。

ただ、郷ひろみは半世紀の芸能歴の中で、こういうアゲアゲな曲としてR&Bを歌ったりカバーしてきたのではない、ということが、振り返るとわかったわけです。するとこの「乗りこなし方」というか「歌いこなし方」の堂に行った感じも、もっと深いレベルで行われているのかも、と認識が新たになりました。

この6曲を聴き、#FalettinSouls 解説を経由した後に、今月更新された 『THE FIRST TAKE』における65歳郷ひろみが何をどのように歌っているのか確認すると、少し感動の角度も違ってくるのではないでしょうか。

郷ひろみ. 2億4000万の瞳 [THE FIRST TAKE Ver.] 2021.

郷ひろみ. 狐火 [THE FIRST TAKE Ver.] 2021.

#FalettinSouls 郷ひろみ特集、リスト配布半月かけた後に2日かけて解説となりました。特集リストは金曜日にこだわらず、こういう変則的なリリースの仕方もいいかもしれませんね。

あなたも555(GOGOGO)曲の音源からあなただけのGO像をdigってみませんか。

脚注一覧

脚注一覧
1副題 “HIROMI GO RIDES ON FUNK CONTEXTS”
2Yahoo! ニュース・報知新聞社. 2021-07-31. 郷ひろみ、555曲サブスク解禁…8月1日から「お嫁サンバ」などの名曲に秘蔵のナンバーも. https://news.yahoo.co.jp/articles/725d2fa6a3f7a2b8498f88d6c306dce1a2ba0d59 (2021-08-21 accessed).
3少なくとも私と彼の間に友人知人が2,3人いることを確認しているが、ご本人との面識はない。
42021-08-21 ご指摘を受け、訂正しました。打ち消した上、このまま残しておきます。大変失礼いたしました。ご指摘Tweet: https://twitter.com/yokkowaiwai/status/1428999202063802373
5リンダ・ヘンリックさんが作曲だと描いた当初は勘違いしていましたが、タワーレコードのデータを見返すと、作曲:郷ひろみとクレジットされていました。参考:https://mdb.tower.jp/release/11802150/HIROMI-GO-CONCERT-TOUR-2012-LINK%EF%BC%9C%E9%80%9A%E5%B8%B8%E7%89%88%EF%BC%9E リンダ・ヘンリックさんは作詞担当。つまり、このセルフプロデュースアルバムにおいて、郷さんはPrince的な音楽に意図的に寄せたということ……?
6この点については、ジェーン・スー&高橋芳朗によるTBSラジオ『生活の踊る歌』郷ひろみ特集でもほんのり触れられています。郷ひろみ特集としてはそちらも詳細でおすすめです。ただしプレイリストへのアクセスにはAmazon Music Unlimited の権限が必要となります。
7(高橋芳朗. 2021-08-16. デビュー50周年!洋楽視点で聴く郷ひろみ(高橋芳朗の音楽コラム;ジェーン・スー 生活は踊る). https://www.tbsradio.jp/articles/43041/ (2021-08-21 accessed).
8kaz-shin. 2006-02-23. 郷 ひろみ_SUPER DRIVE. https://musicave.exblog.jp/2825693/ (2021-08-20 accessed).
9#FalettinSouls Season1, 2020-12-16 特集:プリンスとその後裔 https://falettinsouls.info/20201216_falettinsouls-2020-12-16/ も参照のこと。
10@awajiya さん 2021-08-07 情報提供による。https://twitter.com/awajiya/status/1424001411906359301

#FalettinSouls s2e16

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1. Ritual. Sore Lip. 2010.
2. 浦上想起. 甘美な逃亡. 2021.
3. Kroi. Balmy Life. 2021.
4. Cleo Sol. Rose in the Dark. 2020.
5. 郷ひろみ. Lonely Dancer. 1981.
6. Stuf. (Do You) Want Some of This. 1976.

【2021-08-17】

FalettinSouls s2e16の解説するよー。

1. Ritual. Sore Lip. 2010.

1980s英国のポストバンクバンドです。このRitualの一部はThe (Death) Cult というパンクバンドのコアメンバーになりました。儀式からカルトに先鋭化してんじゃん。さすがパンクの本場だな。先日のブリットファンク&マッドチェスター文脈でお聴きください。

2. 浦上想起. 甘美な逃亡. 2021.

才能迸る宅録&多重録音シンガーソングライターとして2019年から今年までの間に急速に注目されている(らしい)ウラカミソウキさんです。実はこの曲が初遭遇だったんですが、使ってる音源にファンク的ワウギターがありますね。それでいてメルヘンな纏め方。変で面白い。

日本の音楽の中では今一番素でVulfpeck系プロジェクトのやってること(いわゆる本邦で言うところの「ミニマルファンク」)に近い音源のひとつなのではないかしら。一曲だけインスパイアとかでなくて。ただ音数は多いのでミニマルの定義からは外れますね。星野源と同じく盛りもり。

3. Kroi. Balmy Life. 2021.

ブラックミュージックに憧れて「黒い」を冠したという、5人組のミクスチャバンド。ヒップホップを演れるけどR&Bもブラックロックも全部入りで邦楽シーンやったるぜ〜、という気合いと実力を激らせている感じで、好きです。

4. Cleo Sol. Rose in the Dark. 2020.

以前特集で紹介した(s2eX04)匿名ネオソウル集団Saultの主要3人物の一人ではないかと言われているCleo Sol から一曲です。文脈も2010s UKネオソウルの延長にありますね。

5. 郷ひろみ. Lonely Dancer. 1981.

今月1日に555曲(GOGOGO!のもじり)をサブスク解禁した郷ひろみの曲を先々週に聴きまくっていた結果、eXtra回に郷ひろみの6曲を立てることになったのですが、これは選に漏れた7曲目です。これが選外になる6曲とは!? という感じじゃないですか?

1980年代の、米国ミュージシャンと関わったり、自ら(結婚したパートナーの都合もあって)渡米したりした時代の郷ひろみは、自身の主導権がどこまであったかはさておき、ファンク&ソウル的に注目しがいのある音源がたくさんありますね。今週後半にその話をするつもりです。[1]s2eX08: 郷ひろみ特集は右のURL参照。https://falettinsouls.info/20210820_s2ex08/

6. Stuff. (Do You) Want Some of This. 1976.

Stuffは1960-70sにかけて活躍した実力派のジャズフュージョンバンドです。
Gordon Edwards (bs.)
Richard Tee (kb.)
Eric Gale (gt.)
Cornell Dupree (gt.)
Chris Parker (dr.)
Steve Gadd (dr.)※後期加入
という面子です。

特にコーネル・デュプリーは、ダニー・ハザウェイ『Live』にも出演してるなど、ソウル史的に重要な役回りをこなしていますね。彼が1960-70sの間、アトランティック・レコードのバックバンドとして雇用されていたことが関わってます。Stuffの前身はEncyclopedia of Soul, 解散後の後継はGadd Gangです。

聞き返してたら後半の鍵盤ソロが最高〜。Stuffぜひ聴いてください。

さて木曜か金曜は郷ひろみについて語ります。ミネアポリスファンクと比較したりするよ。お楽しみに。

脚注一覧

脚注一覧
1s2eX08: 郷ひろみ特集は右のURL参照。https://falettinsouls.info/20210820_s2ex08/