#FalettinSouls 2021-02-12 Suchmos

  1. Suchmos. Alright. 2015.
  2. Suchmos. Life Easy. 2015.
  3. Suchmos. WIPER. 2017.
  4. Suchmos. SEAWEED. 2017.
  5. Suchmos. Miree. 2015.
  6. Suchmos. STAY TUNE. 2017.

おはようございます。個人的には波乱の1週間でしたが、この企画のおかげでなんとか楽しく生きてます。今日は金曜日の単独ミュージシャン6曲特集の日。今回は先日活動休止が報じられたSuchmos*1でお届けします。 SpotifyにあるSuchmos曲全部聴いてもメジャーなのが割と残りました。

【夕】

さて麻婆豆腐食ってて遅れましたがSuchmosの話しますよ。 pic.twitter.com/LoanUiIQtO

01. Suchmos. Alright. 2015.

Suchmos(さちもす)は2013年結成のバンドです。彼らを何バンドと呼ぶかはなかなか難しい。とりあえずロックバンドと呼んでいいんだろうけど、ソウルやアシッドジャズやネオソウルの影響を、良くも悪くも素直に受け取ったコンセプトをもちます。

この「良くも悪くも」性については、以前呟いたことがあるので繰り返しません。 Suchmosの活動休止報道がなかったら特集するのはもっと遅れてたかも。でも今回特集を試みたおかげで、Suchmosのよさを自分なりにちょっと掴めたかもしれません。

Alright については、Suchmos の持ってる歌詞の言い切りと、いかにもSuchmos的なグルーヴの作り方のバランスがよいと思います。先に日本語ラップで高速で歌われてきたような、ラッズ(悪童)的な歌詞を、このBPMで言い捨ててくる、低温かつ露悪的な気持ちよさがある。

「金がすべてだ働けアリンコ」

「金は全能か? 無職はゴミか?」

「マホメットは誰も救わないのか?
 首を落として満足ならやれよ
 ジーザスに祈れば救われるのか?
 ミサイ(ルゥルルル)ル落として満足ならやれよ」

Suchmos. Alright. 2015

うん、これは2010年代に低速で歌われることに意味がある罵倒ですよね。

02. Suchmos. Life Easy. 2015.

Suchmosの中にはチルい(= chill out する)曲もそこそこあったんですが、その中でまあこれは彼らなりのソウル枠としてわかりやすいかなーと思ったやつです。あとはずっとグルーヴィなのが続きます。

03. Suchmos. WIPER. 2017.

Suchmos曲の中で一番好きな曲かも。鍵盤の音色がメロウ寄りなのにそれ以外がヒップホップ混じりのファンキーグルーヴ進行、途中からグランジロック的(ニルヴァーナ?)的猥雑さも織り込んでくる。ミクスチュアバンド面目躍如って感じなのが好き。

04. Suchmos. SEAWEED. 2017.

さてみなさん、Suchmos単独特集ですが……このへんで疲れてきませんか? 私は……めっちゃ疲れてます、耳が。いやこれ、Suchmosの邦楽R&B寄りバンドとして変なところであり、そして彼らのもう一つの美点なのかなと思うところでもあります。

Suchmosの曲、続けて聴くと「かなり似てる」んですよね。とはいえ、どの曲も変わり映えしないわけじゃないんです。一個一個聴くとちゃんと工夫がある。にも関わらず、繋げて聴くと「どれがどの曲だったっけ?」てなる。検証してないけど、BPMがほとんど一定だからなのか?

そしてこれ、たぶんクラブDJ的なものときっと相性いいと思うんですよね。Suchmosだけで2つのLP持ち出して繋げるの、めちゃめちゃ敷居低そうなんですよ。Suchmos楽曲だけで1時間ダンスフロアを保たせられそうな気さえする。そういう意味での「似てる構成要素をもつ曲」でSuchmosはできてる気がする。

で、この辺になると完全な独断なんですが、Suchmosって「日本に突然出てきたチャック・ブラウン&ソウルサーチャーズの末裔」、つまりアシッドジャズとネオソウルに影響を受けた結果覚醒遺伝した【ワシントン・ゴーゴー・ファンク】に戦略が近いバンドなのではないか、と自分は思ったんですよね。

05. Suchmos. Miree. 2015.

2010年代後半から今年までの間、少しでも邦楽で歌もののファンク&ソウル的なものを探そうとすると、気づいたことがあるんです。大抵の10代-20代のバンドでそういうことしようとしてる人、このSuchmos"Miree"のメロやサビに引っ張られてるんですよ!

そのことに気づいた時、「けっ、いうてSuchmosなんか70年代R&Bをほかの本邦作曲家達の努力を無碍にするように臆面もなくツギハギしてる、独創性のないバンドじゃないか」とド失礼なことを思ってたんですが(本当にド失礼だな)、そのSuchmosフォロワーの楽曲が商業にちらほら見えて考えを改めました。

Suchmosのトラックが多少なりとも素直すぎるR&B遺産のブリコラージュであることを特に棄却しようとは思わないし、彼ら自身それを恥と思う契機もないみたいなのですが(ジャズファンクやネオソウルが既にそういう先達であることもあるんでしょう)、それ以上に彼の「メロディ制作」は真に独創的だった。

06. Suchmos. STAY TUNE. 2017.

ここまでの話をまとめるのにいい感じのキラーチューンですね。2年前の紅白でも歌われましたね。
さて、私にとってのSuchmosは

(1) クラシックソウル時代〜ヒップホップ経由〜ネオソウルの遺産をふんだんに素直に、良くも悪くも節操なく、参照するバンドであり、

(2) しかし悪童的な歌詞世界と、そのサウンドに載せるメロディと演奏力が合わさり、他にない音を出し国内フォロワーも多数産むバンドになった。

(3) その結果として、「個別の歌ものでありながら、Suchmos楽曲だけでシームレスに一定のグルーヴ構成を作れる傾向が強く、

(4) それはおそらくチャック・ブラウン達がワシントンD.C.で実現したような、ワシントンゴーゴー的な「長いファンク」に近い魅力を隔世遺伝的に獲得している。

こんな評価です。

こういう仮説を得たからには、「Suchmos復活後のライヴにいつか行く」のと、「Suchmos縛りでターンテーブルを繰ってくれるDJ企画があるクラブに行く」かのどっちかをいつかやってみたいですね。きっと、ずっと踊れると思う。それはそれとしてSuchmosは復帰後また全然違う曲も作ってほしいですね。

悪口もいいましたが、最終的に誰も言わなかったタイプの褒めを得たので、ご勘弁ください。Suchmosガチで好きで怒ったひと、ごめんね。#FalettinSouls はSuchmosが参照してる沢山のミュージシャンの曲も含まれるので、Suchmos好きならきっと気にいる曲が見つかるはずです。

その他コメント:

「ずーっとこんな感じでいくんかな」と思った矢先のバンド活動休止だったんですよね。自分はSuchmosにどうせならもう数段独創的な方向に行って欲しい気分だったので休止は歓迎してます。

一方でSuchmosみたいな「ヤンキー感あるメッセージ性で、SSW(ないし個人の作曲)パワーに依らないで、ロックでもラップでもAORやシティポップでもなく、泥臭いファンク&ソウル系で勝負する、バンド」ってかなりひさびさに来たかなと思うし、売れたことが日本のシーンにとって良かった。

*1:音楽ナタリー. 2021-02-03.「Suchmosが活動休止」(https://natalie.mu/music/news/414913 2021-02-15取得)

#FalettinSouls 2021-02-11

  1. waiai and ぷにぷに電機. NAMELESS. 2021.
  2. 坂本真綾. ピース. 1998.
  3. 宇多田ヒカル and 小袋成彬. ともだち. 2016.
  4. Gloria Gaynor. I Will Survive. [1978] 2000.
  5. chelmico. Highlight. 2018.
  6. ケダルイ and 初音ミク. Big Funky Music. 2018.

【朝】

おはようございます。平日の祝日もやります #FalettinSouls 、今日は広義の女性ボーカリスト縛りでファンキーな曲6つを並べました。休みの人も働いてる人も、時間あれば聴いてみてね。(ひっ、坂本真綾の2ndアルバムが23年前……)

今日は夕方まで待つ必要がないので1100時までに先に語ってるかもしれません。ぷにぷに電機のファンクの直後に初期菅野よう子Pの坂本真綾ファンクを流してその後にグロリア・ゲイナーと初音ミクが続くのは日本に無数のファンク&ソウル好事家あれど #FalettinSouls だけ!

【午前10時ごろ】

今日は祝日なのでもう解説しちゃいます。PCデスク前で調べながら書けるしね……

01. waiai and ぷにぷに電機. NAMELESS. 2021.

ぷにぷに電機は紹介済みですが、waiaiさんが初登場。この方は旧名義「_yi.」(確かにこれもワイアイと読める)で活動を初めて、フルアルバム『NULUV』を2017年に出してる。これも聴いたけどめっちゃカッコいい。
得意な楽曲ジャンルは「Glitch Hop」というジャンルですが、定義をみてもまだ馴染みがない……(スネアが3,4拍に来るBPM100-120のヒップホップ系打ち込みダンスミュージック、あたりなのか?)名門・バークリー音楽学校卒でもあるそうです。*1

02. 坂本真綾. ピース. 1998.

これが23年前ということにダメージを受けていますが、それはさておき……坂本真綾2ndアルバム『DIVE』からのファンクバンド編成曲。初期のアルバムはほぼ全曲菅野よう子がプロデュースしているので、ブラスファンクの特色が良く出ていますね。
Wikipedia_ja::DIVE に「ピース」の演奏家リストがありました。

Drums:佐野康夫
A.Bass:渡辺等
Guitars:今堀恒雄
Keyboards:菅野よう子
Sound Architect:浦田恵司
Trumpet:荒木敏男
Trombone:村田陽一
A.Sax:山本拓夫
Percussion:岡部洋一
Background Vocal:坂本真綾

https://ja.wikipedia.org/wiki/DIVE_(坂本真綾のアルバム)

ホーン隊充実してる。参加者個々人は調べられていませんが、90s末の菅野よう子関連楽曲のブラスファンクに呼ばれた面々ということで、覚えておきたいですね。

ちなみに坂本真綾さんは菅野よう子P時代のフルアルバムを『LUCY』で一旦終えて、そのあとは(たまにタッグを組むこともあれど)いろんな人から楽曲提供を受けることが増えました。最近は一線の邦楽ミュージシャン、例えば川谷絵音や冨田恵一、コーネリアス小山田圭吾などとも仕事をしています。

そういう時代になってからもう20年近くになっているので、坂本真綾論で一本書けるでしょうという気もします。たぶん自分ではありませんが……『劇場版天空のエスカフローネ』挨拶で江別のシネコンに姉と行った頃が懐かしく思い出されます。(懐古厨)

04. 宇多田ヒカル and 小袋成彬. ともだち. 2016.

1991年生まれ、小袋成彬(おぶくろ・なりあき)さんとのコラボ曲。この仕事の直前にはR&B系バンドをしていたようで、その解散後に何かのきっかけで宇多田ヒカルさんと一緒に仕事をしたというタイミングの曲みたい。

曲としてはファンクでもソウルでもなく和製R&Bなんですが、キックとギターの組み合わせがいい感じだったし、宇多田ヒカルまだ取り上げてなかったなーということで紹介しました。小袋成彬さんが宇多田ヒカルさんと仕事した時の話のインタビューはこちら。*2

04. Gloria Gaynor. I Will Survive. [1978] 2000.

一ヶ月前にディスコ特集を組もうとしていた時に入れきれなかった曲なんですが、この曲、「コロナ禍でもサヴァイヴしていこうぜ!」ということでにわかに再評価されているらしいですね。まじかよ。

2020-06-13「NEWS新型コロナを受け手洗いソングとして再び注目が集まるグロリア・ゲイナー「I Will Survive」のリミックスが配信」*3 まじだった。フレディー・ペレン&ディノ・フェカリス作、その年のグラミー賞最優秀レコーディング賞を受賞と原曲についても行き届いた記事。

記事によればグロリア・ゲイナーさんは2019年『Testimony』というアルバムでまた賞を貰ったそうですし、現役も現役。まだまだ歌声をきかせてほしいですね。

05. chelmico. Highlight. 2018.

RachelとMakiko、日本の2人組フィメール・ラップ・ユニットです。最近はアニメ『映像研には手を出すな!』のOP曲「Easy Breazy」も手掛けましたね。ダウナーだけどワウギターがいい感じなのでファンキー要素を感じてここにて紹介。Easy Breazy のPVがいい感じなので合わせてご覧ください。

06. ケダルイ and 初音ミク. Big Funky Music. 2018.

ボカロ特集で紹介し損ねた曲から1曲です。ケダルイさんは「前衛P」名義をニコ動文化の中で付与されて活躍していましたが最近はこっちの名義みたいです。

自分はFunkとかFunkyとかついていても実質ロックだったりしたらまず紹介しないんですが(解散前のDoping Pandaとかヨシーファンクのことですね)(それ強調する必要ある?)(ファンクかどうか気にしなければちゃんといい曲してる人らなんだからいいんだよ!)、このケダルイさんの曲はちゃんとFunk。

ケダルイさんの最新情報はこちらから取得できるほか *4 Twitterアカウント等も運営されているようです。ボカロP出身の方というか、2010s以降継続的に楽曲リリースされている方はこのへんしっかりされていていいですよね。経緯がわかりやすく、はまりやすい。

というわけで木曜日解説を朝に終わらせました。明日はSuchmosだけ6曲特集です!!! Suchmos休止に合わせて急遽特集をぶつけました。Suchmos好きな人もなんか苦手な人もよってこい! #FalettinSouls

*1:block.fm News 2020-12-19 記事 https://block.fm/news/waiai_puniden

*2:インタビュー・テキスト 柴那典 撮影:西田香織 編集:矢島由佳子. 2018-04-04. 小袋成彬が語る、宇多田ヒカルとの制作と、全体主義に対する懐疑 小袋成彬『分離派の夏』 . CINRA.NET. (https://www.cinra.net/interview/201804-obukuronariaki 2021-02-15取得)

*3:2020-06-13. udiscovermusic.jp https://www.udiscovermusic.jp/news/gloria-gaynor-i-will-survive-remix

*4:https://www.kedaruiya.net/