- 荒井由実. あなただけのもの. 1974.
- Distiny’s Child. Lose My Breath. 2004.
- 椎名純平. 疑惑. 2001.
- Big Sam’s Funkey Nation. Lookin’ Glass. 2018.
- Harvey Mason. Hop Scotch. 1975.
- Scoobie Do. Lily-Be. 2006.
【朝】
おはようございます。久々に明日以降のストックがない #FalettinSouls を経験しています(まあ十分未満で編めると思うけど……)。今日も洋楽3邦楽3でファンキー&ソウルフルナンバーをお届けします。
オハイオプレイヤーズ以外あんまりリクエストもらってないので、「紹介済のあのミュージシャンの曲またかけて〜」と言われたら、変更する可能性があります。本日2300時までに教えてください。
【夕】
さてこんばんは。今日もへんちくりんなファンキー&ソウルフルナンバー並びをだべってゆくよ。洋楽だけ、邦楽だけならいくらでも先達がいましょうが、日本のファンク&ソウルと海外のファンク&ソウルを等分で新旧ごた混ぜでこんなに聴けるのは、2021年で #FalettinSouls だけだよ!(誇張はない)
01. 荒井由実. あなただけのもの. 1974.
ユーミンこと荒井由実はこの頃から大活躍していました。前にはっぴいえんど以後のファンキー楽曲特集で松任谷正隆さんの話も出ましたね。のちに荒井由実は松任谷正隆と結婚して松任谷由実名義になってゆきます。
さてこの荒井由実にあまり似つかわしくないようにも聞こえるこのバックトラックはなんなのか? 実はこれが先週紹介したティン・パン・アレーなんですね。つまり細野晴臣や林立夫が好き勝手にファンクしてるわけです。そりゃSlyのワウギターやスティービーのクラビぽい音になりますよね。
この荒井由実の曲は昨年『関ジャム』でも紹介されてたみたいですね。邦楽で少し語ればいい感じにみんなで次のステージの話ができる内容をこれまでたくさんしてきてくれた『関ジャム』、そろそろ本になったりしませんか。関係者多すぎて難しいのかなあ。
02. Distiny’s Child. Lose My Breath. 2004.
「デスチャ」の愛称で知られるヒップホップソウルヴォーカルグループ、デスティニーズチャイルドの代表曲から。これもやっと紹介できた人たちです。ビヨンセ(デスチャの初期から解散までの基幹メンバー)より早く紹介できた。
ディスティニーズチャイルド、まだ自分は”HIPHOP化したソウル”の伝統についてうまく語る手がかりを見つけられずにいるんですが、それでもこの曲はいいなと思って聴いてます。既出のジャネット・ジャクソンが切り開いた「踊る女性シンガー」の系譜を90sから繋ぎましたよね。
03. 椎名純平. 疑惑. 2001.
かなり複雑な展開のR&Bナンバーを演奏する歌もの日本人バンドです。代表者の椎名純平さん、この人実は椎名林檎のお兄さんです。兄妹でミュージシャンやってたんですね。
多分この時期のバンドはEvil Vibrations なのかな?[1]参考資料: http://www.kronekodow.com/gaiko/db_intro.html 2021-01-26取得. その後バンドが自然消滅した後はDezille Brothers というバンドを組んだりと、椎名さんの楽曲自体にも長い遍歴があります。
名前のせいで「椎名林檎の兄は椎名桔平!?」と言われがちな椎名純平さんですが、実はディアンジェロ登場前後の第一ネオソウル期と並行して優れたR&B探求を続けてきているミュージシャン&バンドだったのでした。林檎さんへのR&B素養にも、お兄さんかなり影響してそうですよね。
04. Big Sam’s Funkey Nation. Lookin’ Glass. 2018.
これは確かひげさんのSpotifyから「お、いいな」と思って拾わせてもらったトラックです。
トラックは2018年と新しめですね。しかし実は1977年から連綿と続くダーティーダズンブラスバンド (Dirty Dozen Brass Band) のニューオリンズマナーを引き継いだトロンボーン奏者(DDBBの旧メンバー)、ビッグ・サム・ウィリアムスが率いているということで、そこそこ練られた文脈が音の中にあります。
ニューオリンズはジャズ発祥の地で知られており、その伝統を引き継いだニューオリンズファンクも、他の米国地域よりさらにオフビートに特徴がある……と言われています(具体的なアナリシスができると言い難いので今はこう言っておく)。この曲自体についてはだいぶ Funkadelic 的ですね。
あとこの曲について連想したのは、サビの部分のイリの呼吸が岡村靖幸さんと共通するところあるなと感じましたね。岡村靖幸さんはプリンスフォロワー特集で紹介しましたが、もう少し広めにP-FUNKやそれに類する米国ファンクの歌物の文脈とも技巧的に通じ合う部分あったのかもなと思いました。
05. Harvey Mason. Hop Scotch. 1975.
ハービー・ハンコックが”Headhunters”などで急速にジャズフュージョン化していった70年代ニューソウル時代の併走者ですね。というかHead Huntersでドラムス叩いてた人ですね。
ハーヴィー・メイソンは幾つかの日本のミュージシャンとも関係が深くて、特にカシオペア(T-SQUAREとよく比較されるジャズフュージョンバンド)のアルバムをプロデュースするという割と大きめな関わりを持ってたりします(調べて知った)。ハンコックあたりから流れ出すフュージョン史おもしれー。
06. Scoobie Do. Lily-Be. 2006.
1995年から長く続けている国内ファンクバンドの代表グループのひとつです。かっこいいですよね。とはいえ自分はあまり通ってこなかった。多分、ファンクだけでなくてしっかりした古典的Rockn’rollの香りも感じるからだと思う。
「ファンクかつロック」を形容するときに「ファンクロック」という言い方をすることがあって、例えばPearl Jamとかはそう言われますね。でもScoobie Doくらいの混ざり方(そして若干のBPMの速さ!)くらいの方が、自分の中のいい感じの funk-rock のゾーンの中心に近い感じがしてます。
自分の中で、G. Love & Special Sauce, ウルフルズ, 山崎まさよし, Scoobie Do あたりが、「ファンク&ソウルに対して真面目なのと同じくらい、ブルース経由のロック(そしてそれはたぶん、1980-90sのJ-ROCKとはだいぶ遠い位置にいるRockn’Rollである)にも軸足があるんじゃないかなーという地図がある。
そんな感じでした。明日の #FalettinSouls は、平日水曜日に変わったおかわり回です。いまのところリクエストはオハイオプレイヤーズ1ユニットだけですが、言ってくれたら他の既出ミュージシャンも組み込みますねー。今日の日が変わる頃までにどうぞ!
脚注一覧
↑1 | 参考資料: http://www.kronekodow.com/gaiko/db_intro.html 2021-01-26取得. |
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