#FalettinSouls s2e12

FalettinSouls season2, episode12 をおとどけします。最近ピーター・バラカン『魂のゆくえ』第3版[1]バラカン,ピーター. 『新版 魂〔ソウル〕のゆくえ』アルテス・パブリッシング. 2019. を読んでいるので、クラシックソウルづいた並びになってます。

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1. Sam & Dave. Hold On, I’m Comin’. 1966.
2. Dr. John. Right Place Wrong Time. 1973.
3. Cosmo’s Midnight and Emma-Jean Thackray. Time Wasted (Emma-Jean Thackray Remix). 2021.
4. Al Green. Love and Happiness. 1972.
5. Otis Redding. (Sittin’ On) The Dock of the Bay. 1968.
6. スカートとPUNPEE. ODDTAXI. 2021.

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FalettinSouls s2e12の解説をします。体調こそよくなってきてるものの、余裕はあまりない日々が続く。みじかめにやります。

1. Sam & Dave. Hold On, I’m Comin’. 1966.

アトランティック・レコードの1960s期を代表する2人から始まります。朝も言いましたが、私は最近ピーター・バラカン『魂(ソウル)のゆくえ』3eをSpotifyリスト付きで読んでいます。初版の文庫と2版のアルテス版も読んでましたから再読という事になるか。
昔はノーザンソウルとサザンソウルの違いもあまりわからず読んでいましたが(※自明の区別ではないにせよ)、アレサのライヴ映画をきっかけに脳内で整理が進みました。

2. Dr. John. Right Place Wrong Time. 1973.

ニューオリンズファンクを代表するのはドクタージョン! 彼もバラカン本で取り上げられています。昔、なんとなく気になって洋書でドクター・ジョンの伝記を英語で買って、そのまま実家に積んでいたような……。コロナが終わって帰省したら読めるだろうか。

3. Cosmo’s Midnight and Emma-Jean Thackray. Time Wasted (Emma-Jean Thackray Remix). 2021.

オーストラリアのシドニー出身の双子音楽ユニット、コスモズ・ミッドナイトの曲を、UKジャズシーンで注目されているヨークシャー出身ロンドン在住の音楽家エマ=ジーン・サックレイのリミックスしたもの。

コスモズのクラブミュージック感にサックレイのジャズファンク&ネオソウル文脈が混入したジャズアレンジ(何度か紹介しているブリットファンクのアプローチにも近く響きますね)が面白いということで、取り上げました。

4. Al Green. Love and Happiness. 1972.

アル・グリーンは、ゴスペル文脈の強い男性シンガーで名前がまず上がる有名どころですね。彼はこの曲より後の1974年、自分の浮気性のせいで彼女が拳銃自殺してしまい(自らも浴びせられたコーングリッツで大火傷)、改悛して商業ソウルを辞め牧師となりました。

さて、アル・グリーンといえばLet’s Stay Togetherでしょと皆が思うでしょうが、今回取り上げた曲の全体的な音色が素晴らしくてですね。泣きのオルガンソウルとしての完成度が高い。コード進行も特徴的ですね。

アル・グリーンが所属していたのはメンフィス(サザンソウル揺籃の地のひとつですね)のハイレコーズ。このレコード会社が抱えるバックバンド「ハイ・リズム・セクション」の奏でる音は「ハイサウンド」と呼ばれてます。

5. Otis Redding. (Sittin’ On) The Dock of the Bay. 1968.

オーティス・レディングも1960sの代表的ソウルシンガー。このアルバムは1968年の作品なんですが、1967年に早逝してしまってるんですね。無念。アレサ・フランクリン “Respect” の原曲がオーティスのものだった話もしましたね。

6. スカートとPUNPEE. ODDTAXI. 2021.

今日は古典ソウル(しかもアメリカ南部寄り)ばかりでしたが、日本語曲も新しいのをひとつ。1シリーズながら群像劇アニメとして絶賛されている2021年春期作品『オッドタクシー』のOP兼主題曲からです。

澤部渡のソロプロジェクト「スカート」と、星野源「さらしもの」コラボなどでも知られたヒップホップMC/トラックメーカー、PUNPEEの連名で作られた曲です。

メロウなヒップホップ曲として聴けるんですが、90sオリジナル・ラヴっぽさを感じたり、ノイズの入れ方にlo-fiヒップホップ/フューチャーファンクの手つきを感じたりと、楽しみどころの多い曲です。もちろん『オッドタクシー』と緊密に関連した歌詞の内容も面白い。「暗渠」には渋谷川を感じる。

底流に寄り添って
カーブを曲がればまた
暗渠に落ちていくようだ

〔中略〕

僕は背景になって 君にとっちゃ
所詮ごみ処理

〔中略〕

街に縁取られた自分をしって。。。[2]原文ママ嫌になるけど

〔中略〕

混ざり合わない目線の理由を
思い出せるか

スカートとPUNPEE. ODDTAXI. 2021.

ドライバーの拡張的身体感覚が「底流」から「暗渠」を感じているところ、東京の下方、底面、後景、辺縁、から眺め返しているような(けれど目線を合わせる人は少なく)リリックが良いですね。

ちなみに『オッドタクシー』自体良い作品です(AmazonPrime::オッドタクシー)。色んな名作ドラマを引き合いに出して絶賛されてますが、自分なら『木更津キャッツアイ』『街:運命の交差点』『シルバー事件』それにまんまですが『タクシードライバー』を連想しながら見ていました。皆さんもYouTubeオーディオドラマ込みでぜひどうぞ。

今週これでおしまい。金曜特集回は3週連続でお休みさせてもらう予定。

▼参照関係(未完成、そのうち整形します)

-Emma-Jean Thackray(エマ=ジーン・サックレイ)|新世代ジャズシーンで今最も期待を集める才媛のデビュー・アルバム『Yellow』 – TOWER RECORDS ONLINE tower.jp
-柳樂光隆・エマ=ジーン・サックレイインタビュー
-Wikipedia::ハイレコード
-参考: アル・グリーンの回心 ew.com
-同曲のコード進行採譜と各種カバー紹介(Vulfpeckも2016年にカバーしてる

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